バカの世界はいつだってn=1

ここは私の日記帳

ネーミングライツと、それを行使しない企業

https://www.asahi.com/sp/articles/ASQCC6X5KQC2ULOB00Q.html

はてブで見つけた記事、朝日に金は払いたくないので無料部分までしか読んでないけど、ネーミングライツを購入した社長が色々考えた結果行使しないことにして元の名前のままにしました、って話かと理解しました。

結果、昔からの名前になじんだ人たちも一安心、下手に名前を変えるよりも企業のイメージアップになって良かったね、っていう流れっぽいです。

はてブもそんな論調でした。

これは確かにその通りで、慣れ親しんだ地名や施設名がよくわからん商品名になって待ち合わせするにしても何にしても混乱する、風情もなにもあったもんじゃない、みたいな気持ちはよく分かるし、この敢えて行使せず地名をそのまま残した人も純度100%のいい人で、私企業としての目先の利益よりも文化的な側面を優先して……みたいな英断があったんじゃないかと勝手に推測します。(なんせ元記事読んでないから)

 

でも同時に、これって結構危ういなーと思ってまして。

これは完全にこの会社の善意でやってるから成り立ってると思うんですが、じゃあ今後この会社以外がネーミングライツを獲得したとき、もしくは近隣の施設のネーミングライツを獲得したとき、張り切って自社製品名を実際につけたりしたら、絶対「えっ……○○さんのときは変えなかったのに、本当に変えるの?」って声が出てくると思うんですよね。

それどころか、昨今の風潮に鑑みると責める人まで出てきてもおかしくないと思う。

人間は他人の財布に対してならどこまでも鈍感になれるから。

まあそれは言い過ぎかもしれませんが、心の中でそういうことを思う人は絶対いると思うんですよ。

「何だよ、結局宣伝かよ。ケチくせーなー」って。

そう考えたとき、今後ネーミングライツを金出して獲得することをためらう企業が出てくるのは必然だろうなぁ。

もともと慢性的に赤字・金欠の運営母体が苦肉の策の集金手段として取ることが多いだけに、これは結構ネガティブな影響が大きいのでは。

テレビとかだと民放連あたりがそのあたりにちゃんと基準を作ってて、「金出してスポンサードするけどCMはやりません、その分番組の時間を増やします。偉いでしょ!」みたいなのを禁止していたような気がする。

うろ覚えだし制定意図は知らんけど。

何分間の番組だったらそのうち○○%はCMにすること、みたいな話だったっけ?そのせいで東日本大震災のときとか、やたらACのぽぽぽぽーんが流れていた記憶が。

まあとにかく、こういう事例が美談として語られる機会が増えるほど、ネーミングライツの売上は下がっていくんじゃないかと危惧してます。

それともあれかな、楽○みたいな企業がネーミングライツ購入に動き始めたとき、地元で「K○B○海岸にするな!」みたいなムーブメントが起きてそれこそ有志が寄付金とか募ってそれで金額面で競り合って、結果落札して名前は変えない、という、売った自治体は高く売れて嬉しい、地元の人たちは馴染みのある名前が維持できて嬉しい、みたいなwinwinになったりするのかな。

 

というかお金出してるのに命名権を行使しないということは支出に対価性が無いのだから寄附行為と同じで課税対象なのでは?なんてことを素人考えで思ったのですが、Wikipediaで調べたらあくまで「新名称を公募した結果に基づき従来の名前を改めて命名した」という体裁を取ってるんですね。さすがよく考えている。